2013年9月9日月曜日

20130904_Quartz-Seq開発_NGS現場の会 第三回研究会_プレゼンテーション

20130904にNGS現場の会で発表しました。

これから1細胞RNA-Seqを始める研究者が、
実験で躓かないようできるだけ失敗例も交えながら紹介しました。

ここからダウンロードしてみることができます。
pdfファイルでちょっと重いです。
1細胞Quartz-Seq法誕生までの開発の道のりと今後の展開

2013年6月12日水曜日

製品版 NGS MagnaStand 8Ch の動作確認

製品版 NGS MagnaStand 8Chでは、若干プロトタイプと比べてフォールドを固くする調整がされているようです。なので動作確認してみました。

0.2 ml 8連PCRチューブに
5 ul, 10ul, 2ulのマグネットビーズ液を入れて
結合した写真が以下のとおりです。










プロトタイプと比べて、磁石の位置が
低ボリュームにより対応していることがわかります。
すこし固めに設定されているのでPCRチューブが動くことはありませんでした。

プロトタイプよりこっちがよいですね。

会社: 日本ジェネティクス (http://www.n-genetics.com/contact.html)
商品番号: FG-SSMAG
商品名: NGS MagnaStand 8Ch(YS-Model)
価格: ¥47,000

2013年5月29日水曜日

Quartz-Seq用のライブラリ作製方法LIMprepにおける注意点

以前から配布しているシーケンスライブラリ作製の方法LIMprepのプロトコルに関してですが、これは微量なdsDNA用に作ったものでQuartz-Seq用のLIMprepでは若干プロトコルが違っています。ですのでQuartz-Seq用のLIMprepで間違いがおきないために配布します。よろしくお願いします。違うところは精製の部分です。

なぜ違うかは以下詳細です。
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Quartz-Seqでは増幅したcDNAをCovarisによって断片化していますが、理由があって非常にきつい条件で行なっており、短い断片化されたDNAが出てきます。論文にもちょっと書きましたが、原理的には短いトランスクリプト由来cDNAのほうが長いトランスクリプト由来cDNAに比べて、シーケンスライブラリ作製に有効な断片化DNAが出てきにくいという特徴があります。cDNAの両端はアミノ化されておりライゲーション反応にかからないよう設計されており、両端が断片化によって生まれたものがライブラリ作製にかかるという寸法であるので、長いDNAから二箇所切れるより、短いDNAから二箇所切れるほうが難しいというだけのことです。そのためできるだけ短いものからも有効な断片化DNAをえたいがために、きつい断片化の条件になっています。

短いトランスクリプトの検出感度上昇を期待しているということです。

Agencourt Ampure XPの通常の精製法では、短い断片化DNA < 100 bpはロスしてしまうため、Quartz-Seq用LIMprepではAmpure XPはサイズセレクションしか使っていません。またサイズセレクションですが、サイズセレクションしたい液のボリュームに対して当量のAmpure XPを加えるというのが一般的ですが、それでは短いインサート由来のシーケンスライブラリDNAが除かれてしまいます。DNAの分布が精製後変わらないように、1.2倍もしくは1.4倍のAmpure XPを加えるように改変しています。
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2013年5月24日金曜日

NGS MagnaStand 8Ch for 2-6 ul ultra low volume

NGS MagnaStand 8Chが2-6 ulという微少ボリュームでも機能するか試しました。少しコツが必要ですができることがわかりました。磁気ビーズを保持したまま、ほとんどの液を回収することができました。0.1 ml PCRチューブを使う必要があります。

動画は以下から見ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=KtgNrGhIKto

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会社: 日本ジェネティクス (http://www.n-genetics.com/contact.html)
商品番号: FG-SSMAG
商品名: NGS MagnaStand 8Ch(YS-Model)
価格: ¥47,000
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I tested whether "NGS MagnaStand 8Ch" work for ultra low volume (2-6 ul) or not. As a result, "NGS MagnaStand 8Ch" work well for ultra low volume (2-6 ul).

Please see the movie.
https://www.youtube.com/watch?v=KtgNrGhIKto

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Company: Nippongenetics (http://www.nippongenetics.eu/contact/)
Product number: FG-SSMAG
Product name: NGS MagnaStand 8Ch(YS-Model)
Price: ¥47,000
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2013年5月21日火曜日

2013年5月15日水曜日

微量サンプル用マグネットスタンドの商品化

ルーチンに微量サンプルから次世代シーケンス用のライブラリ作製する際に、マグネットスタンドの磁力・位置に問題・ストレスを感じ、微量サンプルに向いたマグネットスタンドがなかったので、日本ジェネティクス社のすみかわさんと相談し商品化までして頂きました。自分が困って自分のために作ってもらいましたが、良い物なのでおすすめできるかなと。興味があれば以下購入可能です。

  型番;FG-SSMAG
  品名;NGS MagnaStand 8Ch(YS-Model)
  定価;¥47,000-

既成品と比べてNGS MagnaStand 8Chは早くマグネットビーズを集めることができ、少ないボリュームでも最適な位置にマグネットビーズを保持することができます。ストレス減少・性能向上に貢献してくれると思います。

プロトタイプを用いた、比較動画ですが以下から見ることができます。暇な時に見てください。商品の方はさらにフォールドが改善しています。

既成品 VS NGS MagnaStand 8Ch (25 ul, 50 ul, 100 ul, 200 ul)
https://www.youtube.com/watch?v=fn3dIdNY2lg

NGS MagnaStand 8Ch (ピペッティング)
https://www.youtube.com/watch?v=A4M832Wl6n8

既成品 (ピペッティング)
https://www.youtube.com/watch?v=0WPJkHZSUpI

NGS MagnaStand 8Ch (100 ul x 8 tube)
https://www.youtube.com/watch?v=KRz2W_KgzlE

2013年5月13日月曜日

Quartz WTA protocol (Original)

Single-cell Quartz-SeqのcDNA増幅(Whole-transcript amplification)のプロトコルをダウンロード出来るようにしました。ラボホームからもダウンロード出来ます。活用してください。

I prepared Quartz WTA protocol for enduser. You can download Quartz WTA protocol (Original version).  Good luck with your single-cell project. 

2013年4月24日水曜日

Quartz-Seqの名前由来

Quartz-Seqは2013/4/23現在、最も感度が高く最も再現性の高い1細胞RNA-Seq法です。実験手法の開発では、定量性を上げることを主目的に、問題となるパラメータを全てあぶりだし、改善をはかりました。刀鍛冶が刀を鍛えるイメージです。ひたすら切れ味=定量性を求めました。データ解析のプロとがっちり組んで開発したことで総合的に完成度の高い方法になったと思います。実験研究者として、実験手法を開発し世に送り出せたことは非常に喜ばしいことです。

Quartz-Seqの名前の由来の話ですが、Quantitative amplification for RNAzの略がQuarzで、英語でのQuartzのドイツ語表記となります。zはギークでsをzという場合があるから置換して使っています。Quartzは水晶やクオーツ時計といった意味合いがあり、正確性をイメージさせる名前となっています。

正直、かっこいい名前をつけるのは苦手です。ただ方法の名前に自分の名前がつくのだけは嫌だし、つけないと方法が出た時ユーザーが呼びづらく混乱のもとなので、二階堂さんにつけてもらいました。スキャッタープロットが綺麗だからその形から方法の名前を考えたり、方法の特徴から考えたり、イメージで考えたりと、二転三転なかなか決まらなかったのを覚えております。

Quartz-Seqで使用している増幅法は、poly-A tailingをベースとしており、同カテゴリーには、 斎藤通紀先生のラボで作った栗本法や栗本法をベースに作ったAzim Surani博士の研究室のTang法が含まれます。栗本法は、1細胞レベルの10 pg total RNAを用いて、きちんと1細胞トランスクリプトームでの方法の再現性を示した最初の方法です。再現性が比較的高い一方で、方法が少々複雑でありました。なのでQuartz-Seqの開発では、簡便性・ロバストネスを併せ持ったまま定量性を上げていきました。実験手法の開発の実働は私一人です。人を倍に増やしても開発が必ずしも進むわけではないことを実感しました。

Quartz-Seq の論文では、サプリメントがいっぱいあります。

Figure S1-18とTable S1-3、S-movie1&2で合計25個ですね。

これまでの1細胞RNA-Seqの手法では、中身のパラメータがどれだけ方法のスペックに貢献しているかや実際にどのように細胞をとっているかなど細かい部分がほとんど提示されていませんでした。すべてのパラメータを開示することでユーザーに納得してもらうとともに、今後の特に1細胞RNA-Seqの開発の後押しをするものとして期待しています。

これらマニアックなサプリを読む人は、絶対マニアックな人だと思いますが、そういう人に見てもらえると嬉しいです。

2013年4月18日木曜日

LIMprep protocol (Quartz-Seq)

Single-cell Quartz-SeqがGenome Biology誌にアクセプト・公開されました。

非常に感度が高く再現性に優れた1細胞RNA-Seq法です。
1細胞で、近い分化状態の差は非常にクリアーに分けることができるのは当然ですが、細胞周期の差や遺伝子発現のバラつきを網羅的に捉えることができる初めての例ではないでしょうか?

方法としては、微量なpoly-A RNAから増幅するWTA: Whole Transcript Amplificationのステップと増幅されたcDNAをシーケンスライブラリにするLIMprepからなります。

LIMprepは微量な二本鎖DNAから高感度にシーケンスライブラリ作製する方法で以前紹介したとおりです。

詳しいLIMprepのアプリケーションノートはリンクを見てください。

LIMprepは以前からご連絡を頂いたユーザーさんに使っていただいていましたが、論文が通ったということで、オープンにしました。

もしLIMprepを使ってもらったら、Single-cell Quartz-Seqの論文を引いてもらえると嬉しいです。

LIMprepをクリックするとpdfファイルをダウンロード出来ます。

WTAパートは後日アップします。


(For non-Japanese user)
Our manuscript (Single-cell Quartz-Seq) has been accepted and released in Genome Biology.


Single-cell Quartz-Seq approach successfully detected gene expression heterogeneity even between cells of the same cell type and at the same cell-cycle phase. We also showed that single-cell Quartz-Seq is able to more easily discriminate between different cell types and/or between different cell-cycle phases. Therefore, single-cell Quartz-Seq is a useful method for the comprehensive identification and quantitative assessment of cellular heterogeneity.

Quartz-Seq is composed of two steps. One is the Quartz WTA: whole-transcript amplification. Second is sequence library preparation, named LIMprep.

You can download the LIMprep protocol. 

We are preparing the ready-to-use protocol of Quartz WTA.

2013年4月17日水曜日

論文アクセプト:1細胞RNA-Seq法

Editorial acceptedになりました。

基礎科学特別研究員(2010/04-2013/03)の時に、にかいどうさんと一緒に開発した方法を方法論としてまとめました。これでゲノム系の研究者の端くれにやっとなれそうですね。基本的には方法のロバストさを気にして作っているので、おそらく大体の人が成功していくんじゃないかと期待しています。 今のところ独立した3人全員で普通に成功してそうです。 論文が出た段階で、実際に実験に使う際のプロトコルユーザーガイドを公開します。もちろん論文見ればできるようになってるんですけど実際使うとなると、わかりづらいんですよね。

2013年3月28日木曜日

非常に良いマグネットスタンドをつくる

Agencourt Ampure XPやDynabeadsをはじめとする磁気ビーズですが、スタートマテリアルの微量化していく際問題になるのが、マグネットスタンドとの相性です。

理想的には、液量が少ないときでも、磁気ビーズの取りこぼしがなくハンドリングが容易なように磁気ビーズが良い位置でつくことが重要です。

そのようなマグネットスタンドが売っていればいいのですがなかなか無い。次世代シーケンス用のライブラリ作製などでは、人間の手で高精度なままハイスループット化することが求めれれていますが、微妙なさじ加減がきいたよいマグネットスタンド(0.2ml PCR tube用)がないのです。

機械を導入して高精度にハイスループット化するという方向性もありますが、導入価格が高く、機械でやるにしても良いマグネットスタンドは重要です。

理想としては
1.マグネットが強い(表面磁束密度。強ければ強いほどよい。)
2.マグネットの配置が良い(チューブとの位置関係。少量の場合、低い位置が望ましい。)
3.マグネットの形が良い(リング型と人間の相性は悪い。側面式が望ましい。)
4.8連を1setとする。

自分で作るのもいいのですが、いちど良い型を作ってしまえば商品化して他のユーザーに作ってもらうことも可能なので業者さんと一緒になって今作っています。

Prototype 1号ができたのですが、
他社の8連PCR用マグネットスタンドと比べて
吸着力と位置取りが半端無く良いものになってます。

そのうちYoutubeでアップします。

微量DNAからのライブラリ作製のストレスが大幅に減りそうですね。。。